歌劇とドラマと時々読書

宝塚歌劇がすきな私の忘備録。

うたかたの恋(2018年・星組)

RakutenTVで(うたかたの恋(’18年星組・中日))を視聴!
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紅ゆずるさんが星組トップ時代の演目です。この「うたかたの恋」は戦前から映画や舞台作品にされて来た名作ですが、19世紀後半に実際にあった心中事件を元にしたものなので、一層悲しみを覚えます。

舞踏会で男爵令嬢マリーが床に落とした扇を、ハプスブルク家のルドルフ皇太子が拾う所から恋は始まります。ただ、乗り越えるにはあまりにも障害の多い恋で・・・。

まず身分が違いすぎる。そしてルドルフにはすでに政略結婚でベルギーからステファニー妃を迎えていて、子もいた。しかし夫婦仲は決して良くなく、ルドルフはあちこちの女性との浮気で気を紛らわせていて・・・。

このステファニー妃の父親は劇には出て来ませんが、コンゴを植民地にし原住民に残虐行為を指示したレオポルド2世でした。レオポルド2世を検索すれば、かなり残酷な画像も出てきますので閲覧注意です。

さらにルドルフは自由主義に共鳴し、ハプスブルク家の伝統を重んじる皇帝と意見が対立していました。「エリザベート」でも自由主義運動仲間と打ち解けていく息子に王位継承権はないぞと諌める皇帝が描かれていましたね。

マリーもルドルフではなく、他のそこそこ身分の釣り合う独身貴族に一目惚れされたなら、周囲も協力的だったかもしれなかったでしょうし、享年の倍以上長生きできたかもしれません。

でも、二人にはそんな自制心も小賢しさもありませんでした。行き着く先は死しかなかったのが切なすぎます。

他殺説もありますが、ルドルフが寝室に常に頭蓋骨とピストルを置いていた事から、いつでも自害する用意は出来ていたと思うのです。マリーもそれを知ってたから逝く時は一緒にと伝えたのでしょうね。